星に願う君を
「…わぁー、屋上すごーい!」
「開いてないかと思った。」
俺らが来たのは屋上。しかも施錠されてるかと思ったら全然開いていた。
今の時刻は八時三十八分。…あー、あと二分でチャイムなる。
「翔くん屋上は?」
「休み時間とか来れるのは知ってたけど来たことない。」
っていうかわざわざ何もない屋上に階段上がって来ようと思わない。
「わー、もったいないね。すっごく気持ちいいのに。」
「…え、君は来たことあったの?」
「え?ないよー、あったら来た時あんな反応しないって。」
彼女がおかしそうに笑って言う。そりゃそうなんだけどさ。でもあの言い方だと来たことありそうだよな。
「で、なんで来たの?」
「んー?お仕事。」
「ここで?」
「うん。学校でも撮っておかないと。」
撮っておかないとって…。なんで?
「?そういえばなんで写真撮ってるの?」
「んー、私のため。あとは…翔くんのためかなぁー。」
俺の?そういうこと?
「なにそれ。」
「…いつかわかるよー。」
いつかって…教えてくれないのか。
聞きたいことはたくさんある。なぜ相棒なのか。なぜ俺なのか。なぜ写真なのか。俺のためとは何なのか。そのいつかって何なのか。関わるごとに謎は増えてく。
「…まだ秘密。」
「…。そう。」
でも、なんとなく聞く気にはなれなかった。秘密と言われてしまったから。彼女の雰囲気が、またあの時みたいだから。
あー、そうだ。その時折見せる雰囲気も…わかんないなぁ。
「はぁー…おサボりバレたら追い出されるかなぁ。」
「そうなんじゃない?」
っていうか怒られるだろ。
「バレないようにしないとね。あ、じゃあ早く撮らないと。」
「…っていうか、本来スマホ授業中しまわないとだし。」
「あ、そっか。じゃあバレたら翔くん余計怒られちゃうじゃん!」
…そりゃね。
「もうー、早く撮ろ!」
はぁー、色々急だなぁー。
「はーい、撮るよー。」