友達以上恋人未満
再会
再会
真子は2020年から作業所への通所準備を進めていた。しかし、その計画は同僚たちには極秘とされ、職員たちの間だけで話が進められていた。真子自身もそれを特に気にする様子はなく、日常を過ごしていた。そんなある日、私が台所でコップを洗っていると、不意に職員が作業所について誰かと電話で話している声が耳に飛び込んできた。「真子さんの作業所行きについてですが――」。その言葉が耳に届いた瞬間、私の手が一瞬止まった。胸の内に、説明できない感覚が広がる。それが不安なのか期待なのか、真子自身にも分からなかった。ただ、真子の名前が他人の口から出たことで、まるで自分の未来がすでに決まっているかのような気がして、妙に心がざわついた。この出来事が特別に思えたのは、後になって振り返ったときのことだ。私が「スピリチュアル」という言葉と出会うのはまだ少し先の話だが、この電話を偶然耳にしたことが「奇妙な一致」として私の心に刻まれることになる。作業所行きの計画を、まるで天が知らせてくれたような気さえした。それが単なる偶然であれ、何か意味があると感じてしまうのは、私たち人間の性なのかもしれない。私にとって、この瞬間は日常の一コマでしかなかったかもしれない。しかし、そのさりげない一瞬が、私にとっては不思議な予感や偶然の連鎖の始まりであったように思う。
私は、バレンタインデーにFM東京の番組で読まれるラブストーリーの執筆を応募した。短い小説だったが、それを真子に伝えることに決めた。彼女が既読スルーしていたトーク画面に、その話を送った。少しだけ、彼女に気持ちを伝えたかった。こんなことをしている自分が少しでも勇気を出したような気がしていた。しかし、その頃から、世間ではコロナウイルスの猛威がじわじわと広がり始め、すべてが変わっていった。2020年が始まり、私はデイケアを拒否し、家で過ごすことが増えていった。真子との関係も、どこかこれまでとは違う感覚があった。彼女との距離が、目に見えない何かによって広がっているように感じた。しかし、それでも何となく、日々は過ぎていった。4月に入り、ゴールデンウィークを迎える直前、私は何気なく過ごしていたが、あの日のことを予測することはできなかった。そして、突然、15年ぶりに統合失調症に襲われることになった。あの日まで、私は自分の心がどれほど脆くなっていたのかを知る余地もなかった。精神崩壊の大騒ぎが待ち受けているとは、思いもしなかった。あの時は、すべてが一瞬で崩れ去るように感じた。何もかもが意味を失い、世界がぐらぐらと揺れ、支えを失ったような不安感に包まれた。あの頃、私は何かを必死に守ろうとしていた。真子との関係、そして、自分の心の平穏を。けれど、何もかもが無力になった。その無力感にどう向き合えばよかったのか、答えは見つからなかった。
真子と同じ空間で暮らしてた時には感じなかった。恋の衝動。2020年のゴールデンウィークをやがて迎えようとしてた。私は、既読スルーのメッセージを送り続ける。それは。好きだと言うメッセージでもある。その感情のピークが訪れようとしていた。そういう状況の時に。精神の安定は乱れるものである。その日は、忘れもしない、4月22日。いつものように朝から新聞配達のバイクにエンジンをかけて発車した。ある病院の坂にさしかかる。前方、五メートルの横から突然。人の乗ったバイクが現れた。それも、眩しいライトの光を撒き散らして。異常なほどの眩しさである。頂上に登り着くと。そのバイクの姿が見えない。音もしない。光も見えない。この先は。行き止まりで、その先はがけである。それでも。この出来事にその瞬間はきづくこともなかった。配達が終わり、一眠りしてお昼になり、本屋に向かう。手にした雑誌は、瞑想というスピリチュアル系の雑誌。付録に瞑想のCD。思わず衝動買いをしてしまう。夕方になり、部屋で瞑想をしてみると。だんだん下半身が重くなってきた。その時。思考をなにかしら憑依された感覚になる。この後。私は、被害妄想の世界に入っていく。もちろん、真子のLINEにも伝えた。それでも、返信が来ることはなかった。この時。スマホの検索で、ツインレイと言う言葉を生まれて初めて知ることになる。妄想の世界はあまり重要でもないので話は省く。その格闘はこの日から一週間にも及んだ。私は、自分の力で被害妄想の渦にはいっていき自力で脱出したのだ。その一ヶ月後に真子は、LINEから既読も付けづに音信不通となったのである。
音信不通!LINEの既読もつかなくなり、この淡い初恋も終わりを迎えたと思っていた。
この頃。私は、何故か、スピリチュアル。ツインレイという言葉に執着するようになる。インターネットとか、とにかく、ツインレイ神話について溢れるような記事があるのにびっくりする。結論は魂の絡んだ運命の人なんて存在するはずがない。でも。そんな中で半年後に奇跡みたいな出来事が起こったんだ。この出来事は今考えると不思議な現象だった。
自動販売機に僕の大好きなバナナミルクのペットボトルが入荷している。たぶん。好きだから、きっとその内になくなる。恋もそう、好きになると彼女はいつの間にか目の前から姿を消す。なくならない内に飲もうと販売機に500円玉を入れた。お釣りの音が一度しかしない、おかしいチャラチャラと音を立てるのに。しゃがんだ姿勢で、お釣りの窓口から指を入れると感触が硬貨一枚しかない。取り出してみると、五百円玉だ。僕の心は躍動感いっぱいになった。一口飲んで、一気に飲むにはもったいない、ラッキーなボトルだから、作業所に戻る。すると。駐車場の愛車の前に彼女の車が止まっている。突然。身体がかっーと熱くなり、下半身の力が抜けた。彼女が外来の窓口にやって来ている。僕は頭の中が、真っ白になった。
そして、目の前の景色が水色の空気に包まれ、襲いかかる様にその姿を膨張させて迫ってきたのは、彼女の愛車から放された正体はボンネットのプリズム。自分の愛車のドアを急いで開けて座席に座りエンジンをかけて急発進した。心の動揺が光のスピードを超える様な速さで身体中を突き抜ける。気がついたら、近くの公園に来ている。駐車場はコロナの影響で閉鎖。車を止めてスマホのボタンを押して精神科の窓口に電話をする。思考回路はパニック状態。彼女の友達を呼び出してもらうが、いないらしい。心臓の鼓動が今にも爆発する。感情は統合失調症に襲われたのだろうか。アクセルを吹かして、車を急発進。再び外来の駐車場に向かって走り出す。精神年齢28歳。彼女は、真子、精神年齢21歳?
FMラジオからは、ハジの恋の夢が流れてきた。「声がして、見上げたら彼がいたの」思考回路はさらに光のスピードを上げてくる。脳内コンピューターの神経細胞がはち切れる。このままじゃ。気がついたら、脳梗塞で倒れて記憶を失う。そして、この恋とさよならをする。さらに宇宙の彼方に引っ張られるかと思った。瞬間にハンドルを左に切ろうとした手を、戻して右に切った。感情は、宇宙のビックバンに向けて、急速に膨張から縮小に光のスピードがダウンしてくる。脳内コンピューターは、命を繋いだ、そして、記憶を真子との思い出が走馬灯の様に浮かんでくる。原稿用紙77枚に真子との想い出をいっぱい詰めた。ラブレターを書いた。これひとつで、成功するきっかけを作ろうと思い。「バレンターンデーに読まれる。文学賞に応募した」2021年のバレンタインデーに真子ちゃんから。バレンタインデーチョコレートを貰おうと決意した。想いは、バレンタインデーまでには、コロナ感染は消えてなくなると思うから。そして、ホワイトデーに、3年先を目標にプロポーズする。
駐車場に着いた。真子ちゃんはまだいる。昼でも肌寒いのにうっすらと汗が滲んできた。外来の入り口で自動ドアが壊れるぐらいの閉まるスピードよりも速く、抜けた。視界には座席に座ってる真子ちゃんの姿はない。私は看護師さんを呼んだ。今の状態を少し興奮して伝える。
「統合失調症が襲ってきている」これは。現実ではない。非現実なんだ。真子ちゃんの車も姿も僕だけに見えている。幻想の世界なんだ。
その時。前をすらっとして、何処かでみた様な女性が通り抜けた。髪を切っていたその彼女が真子ちゃんだと気が付かない。でも、眼鏡。あの時の写真に写っていた。AKB48の小嶋陽菜。私がまだ、真子ちゃんを意識していなかった頃に、何故か、雰囲気が真子ちゃんに似ていたので、大事にスマホの待受画面に保存していた。壁紙は真子ちゃんに見つかって、しまい、思わぬ言葉を告げた。
「真子ちゃんに似ていると思った」真子ちゃんに、LINEに送ってと言われて、翌日送った。僕と真子ちゃんとの繋がりは、この写真。この日は、真子ちゃんへの恋の炎が、メラメラと燃え出した予感を感じていたとは、潜在意識も知らなかった。
「看護士さん今の女性は真子ちゃん」看護士さんはそうよと言った。初めて、AKB48のライブDVDの最後の曲。小嶋陽菜と篠原麻里子がふたりで歌った。となりのバナナの篠原麻里子の髪型に似ていた。この時にふたりのファンになった。その時に脳裏に浮かんだのは、「篠原麻里子は、いきなりプローポーズされて、結婚したと」肉食系だね。真子ちゃんが、そばにいるだけで、ずっと手を握りたいだけ。
横目で真子ちゃんの顔を覗いた。椅子に座って、キョトンとしている。何食わぬ顔でいるのに。一年間にLINE交換で呟いた、お話を知っているんだ。真子ちゃんは私の事をいっぱい知っているなんて、信じられない。あの何食わぬ横顔からは想像する事ができない。真子ちゃんの声が聞こえてきた。その声はデイケアでいつも、はしゃいでいた、音色の声質とキャラクターだ。真子ちゃんの歌う。西野カナのトリセツが好きだ。私は、西野カナが歌ってるのかと耳に響いてきたんだ。西野カナといきものがたりを混ぜた様な声の質。いつの間にか、カラオケでトリセツが歌える様になった。真子ちゃんが、外来での受付を済ませて、私の前を駆け足で去っていく。声をかけられなかった。今、考えると、その先はコロナの影響で通行禁止になっている。真子ちゃんは立ち止まっていたかもしれない。私は、彼女を捕まえられなかったけども、まだ、赤い糸が繋がっていたとはまだ。気が付かなかった。
翌日。
LINEのトーク画面に、真子ちゃんからのメッセージが飛び込んできた。
「いつも返さないけど、返事書くので(LINE)返してます。話聞くのに、ご飯食べに行ってもいいけど、1人じゃ」
次の日
「昨日は。バトミントンに行ってたから、返信できませんでした。ごめんなさい」
このメールにグッときた。
翌日僕は、真子を誘った。
運動公園を散歩しませんか。
この時、真子は明日は用事がありますと言ってきた。ここは、運命の分かれ道だった。20年前の光景が蘇ってきた。会社の女性を誘って。食事に行く約束をした。当日、彼女の同僚のお父さんが亡くなって、通夜に行くことになる。そのため。この日の食事がキャンセルに、この時、キャンセルしなかったら自分の人生も変わっていただろう。その用事がありますから、次の瞬間に真子は、LINEの既読から消えた。この短い一週間のLINE交換の間に彼女の身に何が起こったのだろうか。引き寄せの法則。この、日から、彼女の乗った愛車と何度も何度もすれ違うようになる。ある日、コンビニで愛車を見つけた。私は、ドキドキして声をかけることができなかった。こんな光景が何度も何度も続いた。AKB48の歌詞にもあるように不思議なことが起こるんだよ。恋をすると。
そんな全く音信不通の日が二年間続いた。私の初恋も終わりかとおもうやになや、まだまだ、この初恋物語は続いたのだ。真子の共通の友達を通じて、あの時に約束した食事の誘いを聞いてみた。すると、四人で行こうとなる。私は四人を焼肉に誘った。その時、真子は用事があるとキャンセルしてきた。目当ての真子は来ないがまあいいかと、当日、友達に電話してみると、真子が部屋にやってきて、私も行くらしい。それは、約束の時間の1時間前だ。またしても、奇跡が起こった。
真子は2020年から作業所への通所準備を進めていた。しかし、その計画は同僚たちには極秘とされ、職員たちの間だけで話が進められていた。真子自身もそれを特に気にする様子はなく、日常を過ごしていた。そんなある日、私が台所でコップを洗っていると、不意に職員が作業所について誰かと電話で話している声が耳に飛び込んできた。「真子さんの作業所行きについてですが――」。その言葉が耳に届いた瞬間、私の手が一瞬止まった。胸の内に、説明できない感覚が広がる。それが不安なのか期待なのか、真子自身にも分からなかった。ただ、真子の名前が他人の口から出たことで、まるで自分の未来がすでに決まっているかのような気がして、妙に心がざわついた。この出来事が特別に思えたのは、後になって振り返ったときのことだ。私が「スピリチュアル」という言葉と出会うのはまだ少し先の話だが、この電話を偶然耳にしたことが「奇妙な一致」として私の心に刻まれることになる。作業所行きの計画を、まるで天が知らせてくれたような気さえした。それが単なる偶然であれ、何か意味があると感じてしまうのは、私たち人間の性なのかもしれない。私にとって、この瞬間は日常の一コマでしかなかったかもしれない。しかし、そのさりげない一瞬が、私にとっては不思議な予感や偶然の連鎖の始まりであったように思う。
私は、バレンタインデーにFM東京の番組で読まれるラブストーリーの執筆を応募した。短い小説だったが、それを真子に伝えることに決めた。彼女が既読スルーしていたトーク画面に、その話を送った。少しだけ、彼女に気持ちを伝えたかった。こんなことをしている自分が少しでも勇気を出したような気がしていた。しかし、その頃から、世間ではコロナウイルスの猛威がじわじわと広がり始め、すべてが変わっていった。2020年が始まり、私はデイケアを拒否し、家で過ごすことが増えていった。真子との関係も、どこかこれまでとは違う感覚があった。彼女との距離が、目に見えない何かによって広がっているように感じた。しかし、それでも何となく、日々は過ぎていった。4月に入り、ゴールデンウィークを迎える直前、私は何気なく過ごしていたが、あの日のことを予測することはできなかった。そして、突然、15年ぶりに統合失調症に襲われることになった。あの日まで、私は自分の心がどれほど脆くなっていたのかを知る余地もなかった。精神崩壊の大騒ぎが待ち受けているとは、思いもしなかった。あの時は、すべてが一瞬で崩れ去るように感じた。何もかもが意味を失い、世界がぐらぐらと揺れ、支えを失ったような不安感に包まれた。あの頃、私は何かを必死に守ろうとしていた。真子との関係、そして、自分の心の平穏を。けれど、何もかもが無力になった。その無力感にどう向き合えばよかったのか、答えは見つからなかった。
真子と同じ空間で暮らしてた時には感じなかった。恋の衝動。2020年のゴールデンウィークをやがて迎えようとしてた。私は、既読スルーのメッセージを送り続ける。それは。好きだと言うメッセージでもある。その感情のピークが訪れようとしていた。そういう状況の時に。精神の安定は乱れるものである。その日は、忘れもしない、4月22日。いつものように朝から新聞配達のバイクにエンジンをかけて発車した。ある病院の坂にさしかかる。前方、五メートルの横から突然。人の乗ったバイクが現れた。それも、眩しいライトの光を撒き散らして。異常なほどの眩しさである。頂上に登り着くと。そのバイクの姿が見えない。音もしない。光も見えない。この先は。行き止まりで、その先はがけである。それでも。この出来事にその瞬間はきづくこともなかった。配達が終わり、一眠りしてお昼になり、本屋に向かう。手にした雑誌は、瞑想というスピリチュアル系の雑誌。付録に瞑想のCD。思わず衝動買いをしてしまう。夕方になり、部屋で瞑想をしてみると。だんだん下半身が重くなってきた。その時。思考をなにかしら憑依された感覚になる。この後。私は、被害妄想の世界に入っていく。もちろん、真子のLINEにも伝えた。それでも、返信が来ることはなかった。この時。スマホの検索で、ツインレイと言う言葉を生まれて初めて知ることになる。妄想の世界はあまり重要でもないので話は省く。その格闘はこの日から一週間にも及んだ。私は、自分の力で被害妄想の渦にはいっていき自力で脱出したのだ。その一ヶ月後に真子は、LINEから既読も付けづに音信不通となったのである。
音信不通!LINEの既読もつかなくなり、この淡い初恋も終わりを迎えたと思っていた。
この頃。私は、何故か、スピリチュアル。ツインレイという言葉に執着するようになる。インターネットとか、とにかく、ツインレイ神話について溢れるような記事があるのにびっくりする。結論は魂の絡んだ運命の人なんて存在するはずがない。でも。そんな中で半年後に奇跡みたいな出来事が起こったんだ。この出来事は今考えると不思議な現象だった。
自動販売機に僕の大好きなバナナミルクのペットボトルが入荷している。たぶん。好きだから、きっとその内になくなる。恋もそう、好きになると彼女はいつの間にか目の前から姿を消す。なくならない内に飲もうと販売機に500円玉を入れた。お釣りの音が一度しかしない、おかしいチャラチャラと音を立てるのに。しゃがんだ姿勢で、お釣りの窓口から指を入れると感触が硬貨一枚しかない。取り出してみると、五百円玉だ。僕の心は躍動感いっぱいになった。一口飲んで、一気に飲むにはもったいない、ラッキーなボトルだから、作業所に戻る。すると。駐車場の愛車の前に彼女の車が止まっている。突然。身体がかっーと熱くなり、下半身の力が抜けた。彼女が外来の窓口にやって来ている。僕は頭の中が、真っ白になった。
そして、目の前の景色が水色の空気に包まれ、襲いかかる様にその姿を膨張させて迫ってきたのは、彼女の愛車から放された正体はボンネットのプリズム。自分の愛車のドアを急いで開けて座席に座りエンジンをかけて急発進した。心の動揺が光のスピードを超える様な速さで身体中を突き抜ける。気がついたら、近くの公園に来ている。駐車場はコロナの影響で閉鎖。車を止めてスマホのボタンを押して精神科の窓口に電話をする。思考回路はパニック状態。彼女の友達を呼び出してもらうが、いないらしい。心臓の鼓動が今にも爆発する。感情は統合失調症に襲われたのだろうか。アクセルを吹かして、車を急発進。再び外来の駐車場に向かって走り出す。精神年齢28歳。彼女は、真子、精神年齢21歳?
FMラジオからは、ハジの恋の夢が流れてきた。「声がして、見上げたら彼がいたの」思考回路はさらに光のスピードを上げてくる。脳内コンピューターの神経細胞がはち切れる。このままじゃ。気がついたら、脳梗塞で倒れて記憶を失う。そして、この恋とさよならをする。さらに宇宙の彼方に引っ張られるかと思った。瞬間にハンドルを左に切ろうとした手を、戻して右に切った。感情は、宇宙のビックバンに向けて、急速に膨張から縮小に光のスピードがダウンしてくる。脳内コンピューターは、命を繋いだ、そして、記憶を真子との思い出が走馬灯の様に浮かんでくる。原稿用紙77枚に真子との想い出をいっぱい詰めた。ラブレターを書いた。これひとつで、成功するきっかけを作ろうと思い。「バレンターンデーに読まれる。文学賞に応募した」2021年のバレンタインデーに真子ちゃんから。バレンタインデーチョコレートを貰おうと決意した。想いは、バレンタインデーまでには、コロナ感染は消えてなくなると思うから。そして、ホワイトデーに、3年先を目標にプロポーズする。
駐車場に着いた。真子ちゃんはまだいる。昼でも肌寒いのにうっすらと汗が滲んできた。外来の入り口で自動ドアが壊れるぐらいの閉まるスピードよりも速く、抜けた。視界には座席に座ってる真子ちゃんの姿はない。私は看護師さんを呼んだ。今の状態を少し興奮して伝える。
「統合失調症が襲ってきている」これは。現実ではない。非現実なんだ。真子ちゃんの車も姿も僕だけに見えている。幻想の世界なんだ。
その時。前をすらっとして、何処かでみた様な女性が通り抜けた。髪を切っていたその彼女が真子ちゃんだと気が付かない。でも、眼鏡。あの時の写真に写っていた。AKB48の小嶋陽菜。私がまだ、真子ちゃんを意識していなかった頃に、何故か、雰囲気が真子ちゃんに似ていたので、大事にスマホの待受画面に保存していた。壁紙は真子ちゃんに見つかって、しまい、思わぬ言葉を告げた。
「真子ちゃんに似ていると思った」真子ちゃんに、LINEに送ってと言われて、翌日送った。僕と真子ちゃんとの繋がりは、この写真。この日は、真子ちゃんへの恋の炎が、メラメラと燃え出した予感を感じていたとは、潜在意識も知らなかった。
「看護士さん今の女性は真子ちゃん」看護士さんはそうよと言った。初めて、AKB48のライブDVDの最後の曲。小嶋陽菜と篠原麻里子がふたりで歌った。となりのバナナの篠原麻里子の髪型に似ていた。この時にふたりのファンになった。その時に脳裏に浮かんだのは、「篠原麻里子は、いきなりプローポーズされて、結婚したと」肉食系だね。真子ちゃんが、そばにいるだけで、ずっと手を握りたいだけ。
横目で真子ちゃんの顔を覗いた。椅子に座って、キョトンとしている。何食わぬ顔でいるのに。一年間にLINE交換で呟いた、お話を知っているんだ。真子ちゃんは私の事をいっぱい知っているなんて、信じられない。あの何食わぬ横顔からは想像する事ができない。真子ちゃんの声が聞こえてきた。その声はデイケアでいつも、はしゃいでいた、音色の声質とキャラクターだ。真子ちゃんの歌う。西野カナのトリセツが好きだ。私は、西野カナが歌ってるのかと耳に響いてきたんだ。西野カナといきものがたりを混ぜた様な声の質。いつの間にか、カラオケでトリセツが歌える様になった。真子ちゃんが、外来での受付を済ませて、私の前を駆け足で去っていく。声をかけられなかった。今、考えると、その先はコロナの影響で通行禁止になっている。真子ちゃんは立ち止まっていたかもしれない。私は、彼女を捕まえられなかったけども、まだ、赤い糸が繋がっていたとはまだ。気が付かなかった。
翌日。
LINEのトーク画面に、真子ちゃんからのメッセージが飛び込んできた。
「いつも返さないけど、返事書くので(LINE)返してます。話聞くのに、ご飯食べに行ってもいいけど、1人じゃ」
次の日
「昨日は。バトミントンに行ってたから、返信できませんでした。ごめんなさい」
このメールにグッときた。
翌日僕は、真子を誘った。
運動公園を散歩しませんか。
この時、真子は明日は用事がありますと言ってきた。ここは、運命の分かれ道だった。20年前の光景が蘇ってきた。会社の女性を誘って。食事に行く約束をした。当日、彼女の同僚のお父さんが亡くなって、通夜に行くことになる。そのため。この日の食事がキャンセルに、この時、キャンセルしなかったら自分の人生も変わっていただろう。その用事がありますから、次の瞬間に真子は、LINEの既読から消えた。この短い一週間のLINE交換の間に彼女の身に何が起こったのだろうか。引き寄せの法則。この、日から、彼女の乗った愛車と何度も何度もすれ違うようになる。ある日、コンビニで愛車を見つけた。私は、ドキドキして声をかけることができなかった。こんな光景が何度も何度も続いた。AKB48の歌詞にもあるように不思議なことが起こるんだよ。恋をすると。
そんな全く音信不通の日が二年間続いた。私の初恋も終わりかとおもうやになや、まだまだ、この初恋物語は続いたのだ。真子の共通の友達を通じて、あの時に約束した食事の誘いを聞いてみた。すると、四人で行こうとなる。私は四人を焼肉に誘った。その時、真子は用事があるとキャンセルしてきた。目当ての真子は来ないがまあいいかと、当日、友達に電話してみると、真子が部屋にやってきて、私も行くらしい。それは、約束の時間の1時間前だ。またしても、奇跡が起こった。