この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
第一章

最悪の記念日



甘いお菓子は、どんな時も幸せを与えてくれた。

朝の朝礼を終えると、ロッカーで調理服に着替える。ゆるりと巻いたような、クセのある栗色の髪を下でお団子にまとめると衛生帽子を被り、マスクをつけると商品開発部のキッチンへ入った。

冷蔵庫から銀ケースを取り出すと、ケースに乗っていたカップケーキを見て、天野心音は満足げに頷いた。

「良い感じ」
「天野先輩、このキャラメルソースの味見してもらってもいいですか?」

声をかけてきたのは、心音の一つしたの後輩、松下海斗。

隣に立つと、心音はボウルの中に入っているキャラメルソースをスプーンで少量掬い口に運ぶ。

「もう少しだけ、お砂糖を入れると良いかも」
「やってみます」

心音の提案に、松下は笑顔でそう言うと、砂糖が入ったケースを手に取る。

持ち場に戻った心音は、銀ケースに並べていたカップケーキの真ん中に、絞り袋でホイップクリームをのせると、色取り取りのマーブルチョコをトッピングする。

映えて美味しいがコンセプトのこのカップケーキは、心音が考案し、ついこないだ企画書が通った、今、開発途中の新作スイーツだ。
< 1 / 224 >

この作品をシェア

pagetop