この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
しばらく泣くと、ティッシュで顔を拭きながら、テレビをつけた。
無音が悲しみと苦しみをさらに掻き立てたのだ。
(綺麗なところ……)
映ったのは、海に囲まれた美しい国。
〈ここはイタリアの北東部にあるヴェネツィアです〉
リポーターの女性の波のように静かな声が、頭痛でガンガンする頭を落ち着かせてくれる。
(ヴェネツィア……)
オシャレなお店で美味しそうにスイーツやパスタを頬張り、静かで彩りある街を開放的に歩くリポーターの女性。
その様子をぼんやりと見ていると、テレビの横にあるカレンダーが目に止まる。
明日は七月十九日の土曜日。
康太郎と過ごすと思っていたから、予定は空けていた。
月曜日は祝日で仕事は休み。
かなり弾丸だが、行けないことはない。
心音はバッグから携帯を取り出すと、明日イタリア行きの航空券を調べた。
夏の休暇ということもあり、チケットはかなり良い値段がしたが、明日の便に空きがあったので悩まず購入した。
立ち上がるとクローゼットの奥からスーツケースを取り出し荷物を詰め始める。
(今は日本にいない方がいい)
心音は一人、イタリアへ旅に出ることにした。