この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
(郁人さん、タキシード姿もカッコイイ……)
黒のタキシードに身を包んだ郁人。
髪はオールバックにし、彫刻のように綺麗な顔がより鮮明に際立つ。
思わず見惚れてしまうその姿は、その場の人たちの視線をいとも簡単に掻っ攫い魅了する。
まるでこの世界の王者のようだ。
「やっぱりかっこいいいですね。うちの御曹司様は」
言いながら、松下はワインを飲む。
郁人の周りに集まった女性達は、妖麗な笑みを浮かべ、郁人の気を引こうとしている。
だか、郁人は微塵も興味を見せず、上手くかわしている。
男性達も女性達に負けじと郁人に声をかけている。
みんなビジネスの話を持ち込もうと必死だ。
(すごいな……郁人さんは)
大企業の社長で、財閥の三世。
そして、未来の白金財閥の会長候補。
あんなところを見ていると、郁人と自分が今まで一緒に過ごしていたのは、全て夢だったのではないかと思ってしまう。
心音には、郁人が別世界の人のように思えた。
ふと甘い香りが漂う。
目の前を白のロングドレスを着た髪の長い女性が通る。
女性は他には目もくれず、郁人の元へ行く。