この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました

おおよそ、神田康太郎に近づいたのも、心音への嫌がらせだろう。

恋人を奪って、自分は心音より価値のある人間だと思いたかったのだろう。

「冗談じゃないわ。どうして私がやめないといけないのよ!悪いのはあの女じゃない!!」

叫ぶ美鈴を郁人は何も言わず刺すような視線を送る。

「社員に対する嫌がらせを社長として見過ごすわけにはいきません。お二人には、この会社を辞めていただきます」
「っ……ちょっと康太郎さん!なんとか言ってよ!」

書面に視線を落としたまま、何も言わない康太郎に、美鈴は助けを乞う。

だが康太郎は何も言わない。

美鈴と違って、康太郎は賢明な判断をしようとしている。

郁人はそう思った。

美鈴との浮気が社内の人間に知れ渡れば、ここに居場所はない。

そして、今まで積み上げてきた輝かしい功績とキャリアは消え去ってしまうのだから。

額に冷や汗をかく康太郎。

ボールペンを取ると、康太郎は退職届にサインをしだす。

「康太郎さん……!!」

美鈴は止めようと康太郎の腕を掴むが、康太郎は美鈴の腕を振り払う。
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