この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
駅から二十分ほど歩くと、甘い香りが漂う。
「ここです」
郁人の言葉に足を止める。
そこには薔薇が咲き誇る小さな洋館があった。
「綺麗……」
ピンクと白の薔薇の花があたり一面に咲いている。
芝生の上を歩きながら中へ入ると、ガーデンテラスがあった。
テラスの真ん中には噴水があって、流れる水の音が心地良い。
なんともロマンチックな空間に、心音は心がふわふわと夢心地な気分になる。
「郁人さん、ここは?」
「俺の友人が経営するカフェです」
お店のドアを引くと、涼しげなベルの音が響き渡る。
店内はレトロな造りをしていて、玄関ポーチには大きなガラスの花瓶に切り花が生けられている。
奥には四人がけの席が二つと二人がけの席が三つ、そして手前側にカウンター席が四つあった。
お客さんはおらず、カウンター席の裏手にあるキッチンは灯りが付いていた。