この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
そこにコーヒーが運ばれてくる。
心音は自分を落ち着かせるようにと、コーヒーを飲むと小さく息をつく。
「そうおっしゃられると、分かっていました」
「なら、単刀直入に言う。郁人と別れてほしい。そして今後一歳、あいつの前に姿を見せるな」
あまりにも残酷な満の言葉に、心音は言葉を失った。
「勘違いしてほしくないから言っておくが、私は君を嫌っていない。君のように気前の良い女性はそういないだろう。だがそれだけでは結婚させられない」
「私が……一般家庭の娘だからですか」
心音の言葉に、満は心苦しそうに顔を険しくさせる。
「君は、郁人の両親のことは知っているのか」
「はい、交通事故で亡くなったと聞きました」
「郁人の母親は、君と同じ一般家庭の生まれの人間だった」
(一般家庭……)
意外だった。
きっとどこかの企業の令嬢だと思っていた。
「気が強くてな、一度決めたことは曲げない性格で、そういうところも郁人はよく似ている」
郁人の母親の話をする満の顔は、どこかいきいきしていて、細められた目には、郁人の母親の姿
が、今でも鮮明に映っているように見えた。