この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
あれだけ食べることが大好きだったのに、毎日食欲がなかった。
オフィスに戻ろうとして、ふと足を止める。
視界に入ったのはいつの日か頭をぶつけた柱。
あの時の郁人は、いつもの冷静な姿から想像もつかないほどに焦っていた。
その理由も今なら分かる。
身近な人の死で、命の尊さを知っている郁人だから、あれほどまでに心音を心配していたのだろう。
家に帰り、着替えをしようとクローゼットを開けると、あの白いワンピースが目に留まった。
「懐かしい……」
そっとワンピースを手に取る。
今思えば、自分はシンデレラのような時間を過ごしたのかもしれない。
シンデレラのように魔法にかけられて、舞踏会という華々しい世界に飛び込んだ。