この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
会話の途中で郁人の携帯が鳴る。
携帯を確認すると、郁人は忙しなく椅子から立ち上がった。
〈すまない、急なアポイントメントが入った〉
〈気にしないで〉
〈また連絡する〉
笑顔で手を振ると、通話が切れる。
画面が真っ暗になると、寂しげな顔をした自分が映っていた。
手を伸ばし画面に触れる。
「……」
触れたいのに、触れられない。
抱きしめたいのに、抱きしめられない。
あのベルガモットの香りが恋しい。
「会いたいな……」
ポツリと呟かれた言葉は、風のように消える。