この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
心音は足を止めた。
歓喜で心が震えだす。
涙が視界を歪める。
目の前に、郁人が立っていたのだ。
心音を見て、優しい笑みを浮かべている。
郁人が両手を広げる。
走り出した心音は迷わずその腕の中に飛び込んだ。
縋りつくように抱きつくと、胸いっぱいにベルガモットの香りを吸い込んだ。
「会いたかった……」
心音の心の底からの言葉に、郁人は腕に力を込める。
「俺もだ」
穏やかで優しい声に、郁人なのだと強く実感する。
ここにいる。
郁人がいる。
大好きな人が。
「顔をよく見せて」
そう言い、郁人は大きな両手で心音の顔を包み込む。
「相変わらず泣き虫だ」
涙を流し郁人を見つめる心音に、郁人は笑みを浮かべ言う。
宝石のような黒い瞳は、泣きたくなるほどの嬉しさを噛み締めるように揺れている。
「ルイスが、チケットを渡しに来てくれたの」
「君なら、俺の意図に気づいてくれると思っていた」