この恋は制御不能です!愛を知らない冷徹社長に一目惚れされて、交際0日でプロポーズされました
「ふぅ……」
体の力が一気に抜ける。
片手を胸に置くと、心臓がバクバクと音を立てていた。
「ちょっと、イケメンなんてレベルじゃないじゃないよ。あれはもう彫刻だよ」
「同じ人間とは思えない……」
女性社員が口々に郁人さんのことを話す中、心音は早まった鼓動を落ち着かせようと深く息を吐いた。
「どうだった? 間近で見た社長は」
デスクに腰を下ろすと、正面のデスクに座っていた安藤がすかさず聞いてくる。
「確かに、イケメンでしたね」
郁人とのいきなりの再会に驚きでいっぱいだが、安藤に不審がられないようにと、心音はなんとか笑みを浮かべそう言う。
「でも、なんか冷たかったわよね。冷静というか。愛想がないというか。顔の表情も無表情で、少しもにこりともしなかった」
「そう……ですね」
安藤の言う通り、郁人は少しも笑みを見せず、淡々としていた。イタリアで会った彼の最初の印象も今みたいな感じだったが、心音にとって郁人は、穏やかなで優しい人だ。