遅かれ、早かれ、恋になりまして。
「ちょ、声大きいって!」
思わず周囲を見回す。幸い周りは普通に食事と会話に夢中みたいだけど、こっちは全然平常心じゃない。
「だって絶対なんかあるでしょ?ヤヨ、分かりやすすぎるもん」
「な、なにが…」
「有馬さんの名前出した瞬間、顔赤くなるところ」
「うっ!!」
即死!
私は慌てて手で頬を押さえる。熱い。絶対今赤い。なんでこの人、毎回こんなに観察力あるの。さすが、名探偵佳奈子だ。
「どうしたの?ついに好きになった?」
「そ、そういうのじゃないけどー…」
しどろもどろになりながら答えて、私は佳奈子から視線を逸らす。こんな顔見られたら絶対また何か言われる。いや、もうすでに完全にバレてる気もするけど。
正直、好きかどうかなんて聞かれても、今の私には答えられない。
だって、いろんな問題があるんだもん。
まず、彼氏いない歴何年目?って話だし。恋愛なんてしばらくまともにしてないせいで、自分の感情の判断基準が完全に鈍っている。
これが恋なのかって聞かれても、“たぶんそう”と“でも違うかも”が頭の中で永遠にぐるぐるしている状態だ。
だって、有馬さんのことを考えるとドキドキする。会えるかもって思うと嬉しいし、優しくされると簡単に心臓がおかしくなる。でもそれって、助けてもらったから意識してるだけかもしれないし、仕事で関わる時間が長いからかもしれないし。
……いや、普通そんなことで毎回赤くなる?
そこまで考えて、さらに自分で混乱する。