本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
 藍堂先生がイケメンだから一目惚れしてしまったのかもしれないけど、絶対にやってはいけないことだ。プライバシーの侵害、職権濫用。ストーカー。
 あの女性――宮本優衣華は、越えては行けないラインを超えてしまった。

「まったく、自己中心的で醜悪な女だ」

 鷹司さんは、忌々しげに顔をしかめる。

「中身はともかく、外見は華やかで綺麗じゃないですか?」

 私がぽつりと呟くと、鷹司さんは目を丸くした。

「俺には全然綺麗に見えない。俺が綺麗だと思う女性は君だ」
「なっ!?」

 鷹司さんの言葉に戸惑いつつも、褒められて悪い気はしない。

「美咲さんはクビにすると言っていたが、住所を知られているので、ここを引っ越そうと思う。それまではホテル住まいになるから、君も支度を」
「は、はい」

 私は急いで自分の部屋に戻り、クローゼットから何着か服を取り出してボストンバッグに詰めた。
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