本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで
「着いたよ」
「行ってきます!」
書店の中に入るとすぐに藍堂鷹司のコーナーが設けられていた。
今回の新刊はシリーズ続編なので、新刊はもちろん既刊分も沢山置かれている。愛のあるポップがついていて、読書欲をそそる作りだ。私は積まれた新刊を一冊手に取って、レジに向かった。
会計が終わり、店を出ると鷹司さんが待っていた。
「随分うれしそうだ」
「だって、このシリーズで私は藍堂鷹司にハマッたんで、特別なんです」
私は買ったばかりの新刊をぎゅっと抱きしめる。
「俺は今、自分の本に嫉妬してる」
「もう! 何言ってるんですか」
甘い目で私を見つめながら言う鷹司さん。
それはまるで、鷹司さんが私に抱きしめられたいと言ってるようで。
(鷹司さんって付き合うとこんなに甘々になるんだ……照れるけど幸せでたまらない)
「いつも新刊買った後はどうしてた?」
「そうですね……家事を全部終わらせてカフェオレやミルクティーを淹れて、何にも邪魔されないようにして一気に読んでました」
「それなら、うってつけの場所がある」
「え?」
鷹司さんが指差す方向を見た私は、その店の名前を読み上げた。
「ここって……ブックカフェ?」
「持ち込みOKだし、個室もあるから入ろう」