本好きで恋愛苦手な私が推し小説家に溺愛されるまで

 鷹司さんのきっぱりとした声音が、辺りに響く。

「私のものにならないなら、いらないぃ!」

 はっきりと拒絶された宮本優衣華は怒り出し、咆哮しながらこちらに向かって走り出す。
 その両手に構えているものがきらりと光る。

「あぶないッ!」

 それが何か分かった直後、私は思わず鷹司さんの前に飛び出した。
 宮本優衣華が勢いよく、私の腹部に突っ込んで来る。

「ぅぐっ!」

 腹部に鋭い衝撃を受けた私は、地面に倒れ込む。
 目に映るのは、エントランスの床材、そして宮本優衣華が落とした――包丁。

「あはっあはは! ざまぁみろ!」

 宮本優衣華は高らかに笑った。
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