近くにいるための嘘
56話 好きな人
ねえ、なに、その顔。
なんで、ねえ、紬ちゃんのこと、知ってるの?
ずっと見ていたから分かってしまった。
……悠太郎くんは、紬ちゃんに惹かれている。
知りたくなかった。
やめて、私のことだけ見てて。
「悠太郎くん、私のパンも食べてみて」
「これ知ってる?商店街の限定のやつ」
先輩たちが口々に話しかける。
「うん、食べる。1個ずつ貰うね。」
先輩たちに答える悠太郎くんは、もういつもの悠太郎くんだった。
「おいしいー?」
ねえ、お願い、こっち見て。
「うん、どれも美味しいね。連れてきてくれてありがと。」
悠太郎くんがこっちを向いて笑ってくれる。
「また来て!誘うから!」
良かった、こっち見た。
「うん、来る」
そう言いながら、悠太郎くんは誰かを探すように周りを見回した。
「……さっきの子、探してるの?」
「あ、ちょっとね」
「……パン、美味しかったから」
誤魔化すように話すのが嫌だった。
「帰っちゃったみたいだね?」
帰ってくれて良かった。
二人が話すところなんて、見たくなかった。
好きな人の好きな人なんて、知りたくなかった。
なんで、ねえ、紬ちゃんのこと、知ってるの?
ずっと見ていたから分かってしまった。
……悠太郎くんは、紬ちゃんに惹かれている。
知りたくなかった。
やめて、私のことだけ見てて。
「悠太郎くん、私のパンも食べてみて」
「これ知ってる?商店街の限定のやつ」
先輩たちが口々に話しかける。
「うん、食べる。1個ずつ貰うね。」
先輩たちに答える悠太郎くんは、もういつもの悠太郎くんだった。
「おいしいー?」
ねえ、お願い、こっち見て。
「うん、どれも美味しいね。連れてきてくれてありがと。」
悠太郎くんがこっちを向いて笑ってくれる。
「また来て!誘うから!」
良かった、こっち見た。
「うん、来る」
そう言いながら、悠太郎くんは誰かを探すように周りを見回した。
「……さっきの子、探してるの?」
「あ、ちょっとね」
「……パン、美味しかったから」
誤魔化すように話すのが嫌だった。
「帰っちゃったみたいだね?」
帰ってくれて良かった。
二人が話すところなんて、見たくなかった。
好きな人の好きな人なんて、知りたくなかった。