近くにいるための嘘
57話 私だけ
「悠太郎くんまた来てねー!」
先輩たちの熱烈なラブコールを背に二人で学食を出る。
なんとなく駅まで一緒に帰るけど、悠太郎くんの顔が見れない。
「またこういうのあったら呼んでよ」
……それ、紬ちゃんに会いたいから?
なんて、聞けない。
「うん、分かった。また来てね!」
わざと明るく答える。
紬ちゃんに会ってほしくない、って思っちゃって、
自分の意地の悪さにガッカリする。
……そんなこと、思いたくない。
推しの幸せは、私の幸せ。
「パン食べすぎて、お腹パンパン」
「なにそれ、ダジャレ?」
こんな悠太郎くん、紬ちゃんはきっと知らない。
私だけが知ってる悠太郎くん。
やめて、私から、悠太郎くんを取らないで。
「じゃあね、美桜ちゃんまた明日」
駅で手を振って別れる。
見えなくなるまで手を振ったけど、悠太郎くんは一度も振り向いてくれなかった。
これが、紬ちゃんだったら。
人目も構わず涙が出た。
「お姉さん、泣いてるの?」
声をかけてきたお兄さんの手を振り払って、トイレに駆け込んだ。
先輩たちの熱烈なラブコールを背に二人で学食を出る。
なんとなく駅まで一緒に帰るけど、悠太郎くんの顔が見れない。
「またこういうのあったら呼んでよ」
……それ、紬ちゃんに会いたいから?
なんて、聞けない。
「うん、分かった。また来てね!」
わざと明るく答える。
紬ちゃんに会ってほしくない、って思っちゃって、
自分の意地の悪さにガッカリする。
……そんなこと、思いたくない。
推しの幸せは、私の幸せ。
「パン食べすぎて、お腹パンパン」
「なにそれ、ダジャレ?」
こんな悠太郎くん、紬ちゃんはきっと知らない。
私だけが知ってる悠太郎くん。
やめて、私から、悠太郎くんを取らないで。
「じゃあね、美桜ちゃんまた明日」
駅で手を振って別れる。
見えなくなるまで手を振ったけど、悠太郎くんは一度も振り向いてくれなかった。
これが、紬ちゃんだったら。
人目も構わず涙が出た。
「お姉さん、泣いてるの?」
声をかけてきたお兄さんの手を振り払って、トイレに駆け込んだ。