近くにいるための嘘
63話 主人公
「え!?美桜!?」
「髪の毛ピンクだー!全然印象違う!」
「菜々子は変わらないね」
「これでも結構変わったと思ったけど、美桜には負けるわ」
久しぶりに高校時代の友達に会う。
「東京どう?楽しい?」
「うん、めちゃくちゃ楽しい」
「あのね、私がオーディション番組ハマって推してた人いたじゃん?」
「その人、同じ大学で、仲良くなった」
「なにそれ!?少女漫画の世界じゃん!」
「えー!推しですって言ったの?」
「うん、言った」
「あの番組見てた人あんまりいないみたいで、美桜ちゃんは特別って言われた」
……大丈夫。私は、悠太郎くんの特別だから。
「やばいそれ、美桜、漫画の主人公じゃん」
……全然違う。
多分、私は脇役。主人公の恋を盛り上げる、当て馬。
「……主人公に、なれたらいいのにね」
「美桜のその見た目で主人公じゃないわけがないよ」
菜々子は笑うけど、私は全然笑えなかった。
「菜々子は?彼氏とかできた?」
「もちのろんよ!」
写真を見せてくれる。
幸せそうな菜々子が羨ましかった。
……何者にもなれない自分が、悔しかった。
「髪の毛ピンクだー!全然印象違う!」
「菜々子は変わらないね」
「これでも結構変わったと思ったけど、美桜には負けるわ」
久しぶりに高校時代の友達に会う。
「東京どう?楽しい?」
「うん、めちゃくちゃ楽しい」
「あのね、私がオーディション番組ハマって推してた人いたじゃん?」
「その人、同じ大学で、仲良くなった」
「なにそれ!?少女漫画の世界じゃん!」
「えー!推しですって言ったの?」
「うん、言った」
「あの番組見てた人あんまりいないみたいで、美桜ちゃんは特別って言われた」
……大丈夫。私は、悠太郎くんの特別だから。
「やばいそれ、美桜、漫画の主人公じゃん」
……全然違う。
多分、私は脇役。主人公の恋を盛り上げる、当て馬。
「……主人公に、なれたらいいのにね」
「美桜のその見た目で主人公じゃないわけがないよ」
菜々子は笑うけど、私は全然笑えなかった。
「菜々子は?彼氏とかできた?」
「もちのろんよ!」
写真を見せてくれる。
幸せそうな菜々子が羨ましかった。
……何者にもなれない自分が、悔しかった。