唯一無二の私たちだから

エピローグ

「朱莉!オーディションの件聞いた!?」

私は待機室に入ってきた朱莉に、ハイテンションでそう聞く。
朱莉はクスッと笑って頷いた。

「うん。真季ちゃんのことでしょ?夢叶の役の妹役、受かったんだってね」

「そうなの!やっと真季ちゃんと仕事ができるの、すごく嬉しいんだ!」

真季ちゃんはあの後、私の仕事によく着いてきて俳優に興味を持ったみたい。
それから社長にも気に入られて、俳優としての仕事をもらうようになった。
そして、ようやく“あの”メンバーで仕事ができるようになった。

「ははっ、本当に嬉しそうだな。この後顔合わせで、そのテンションになるなよ〜」

珠莉はそう言って茶化してくる。
でも、本当に嬉しいんだもの。
仕方ないよ。
そうして、舞台の顔合わせの時間になった。

「やっほ〜夢叶ちゃん」

そう言って部屋に入ってきたのは、由衣さん。
由衣さんとはすごく仲良くなって、週一では必ず一緒にご飯に行くくらいだ。
今回の舞台ではヒロインのライバル役を務めてくれる。
ちなみに、ヒロインは私。

その後ろからは帆乃華ちゃんがひょこっと顔を覗かせている。
私は帆乃華ちゃんに手を振った。
帆乃華ちゃんは、ヒロインの親友役になったんだ。

「こんにちは由衣さん!今回の舞台でも、よろしくお願いします。帆乃華ちゃんもよろしくね!」

「うん!こちらこそよろしくね〜」

「久しぶりの共演、めーっちゃ楽しみ!」

帆乃華ちゃんのハイテンションぶりに、くすっと笑ってしまう。
その後、由衣さんが左手を差し出した。
差し出された左手の薬指には、指輪がつけられていた。
私は思わず声をあげてしまう。

「えっ!?ゆ、由衣さん結婚したんですか!?」

「え?ああ!これね。まだ婚約だけど。この舞台が終わったら、結婚するんだ」

そう言って嬉しそうに笑った。
永遠を信じられないと言っていた由衣さんも、前に歩き出せたんだ。
そのことに私はホッとした。
そして、次に部屋に入ってきたのは真季だった。
私はその姿を見るなり、真季に抱きつく。

「真季ー!おめでと!真季なら、絶対オーディション受かってくれるって信じてたよ!これで、一緒に舞台ができるね!」

「夢叶ちゃん、ありがとう。私、精一杯頑張る!」

「相変わらず仲良いね〜」

そう言ってガッツポーズをして見せた真季ちゃん。
それから、帆乃華ちゃんもニコニコ笑いながら私たちを見ている。
そして、由衣さんが私の肩を組んで言った。

「てかー、夢叶ちゃん18歳の誕生日おめでとー!!今日だったよね?」

「あー!私が1番に言いたかったのに!おめでとう夢叶!」

由衣さんのいう通り、今日6月28日は私と朱莉の誕生日。
しかも18歳になったんだ。

「由衣、俺もなんだけど」

「え〜?そうだっけ?忘れちゃった!」

去年は朱莉の誕生日も祝ってたのに、まさか忘れたなんてないと思う。
だから、そう言ってるだけ、
そして由衣さんはニヤニヤしながら私に聞く。

「今日婚姻届出すんだっけ?」

「あ、はい!そうなんです!」

「そうなの!?私、初めて知った…」

そういえば真季には言ってなかったな、18歳の誕生日に婚姻届を出すって。

「真季に言い忘れてたね。ごめん」

「ううん。おめでとう夢叶ちゃん!私、絶対結婚式は行くからね!」

「私も行く!」

「うん。真季も帆乃華ちゃんも呼ぶからね。もちろん、由衣さんも!」

そう言ってくれた真季と帆乃華ちゃんに、クスッと笑う。
そう言ってもらえてなによりだ。
私はチラッと朱莉を見た。

「じゃあ、結婚式は盛大にやらないとな」

「うん!」

私は朱莉の言葉に大きく頷いた。

たくさん大変なことがあった。
これからだって、きっといろんなことがある。
だけど、きっと私たちなら大丈夫。
これからも唯一無二の物語を紡いでいこう。

唯一無二の私たちだから、できることなんだ。
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