いじわる主治医は、私にだけ甘い
「彩人、あの普段のお礼したいから、私の好きなカフェ行かない?」

「ん、いいよ?」

そういうと私は行きつけのCafe fikaという北欧風のお店に彼を連れていった。

「いらっしゃいませ。あ、冴。久しぶりだな」

「久しぶり。彩人、紹介するね。この人私のいとこの村越慧悟(むらこし けいご)くん。一応言っとくと、可愛い可愛い彼女がいます〜」

「おいからかうなよ。彩葉(いろは)もそのうち来ると思うけど。そちらは?」

「桐ヶ谷 彩人さん……。あの……」

「最近友達になったんです」

「友達!?」

「なんで冴が驚いてんだよ。とりあえず、お二人ともゆっくりしていってください。お席、ご案内します」

桐ヶ谷先生はお医者さんで、私はただの患者で、なのに友達でいいの……?
嬉しいけど、切なくて。
そんな複雑な気持ちを抱えたまま、カフェの椅子に座った。

「仕事上、上手く言わないと避けられない場面がある」

座ると彩人は分かったような分からないようなことを言う。

「うん。もしバレたら大変だもんね。というか彩人って何歳?彼女とかいるの?」

「32。彼女は1年前まではいた。今はいない」

さらにムッとしてしまう。
なんでか分かんないけど。

「ぷっ」

彩人は吹き出した。

「24歳、冴さんは、今まで男がいないの顔に書いてあるよ」

「あーもうからかわないでよ!」

「だって、おもしろくって。くくく」

「そんなにモテてないみたいな言い方しないで!最後にそういう話したの小学生だし(笑)でも奥手って言うか、何したらいいかわかんないの!!」

「へぇ、じゃあ今度海でも行く?」

「なにそれ?」

「お待たせしました~カフェラテ2つとシナモンロールです。ところで海いいじゃん。いってきなよ、冴、このままだとミイラ化孤独死するよ」

「だから、慧悟もからかわないでよ」

「はいはい、ごゆっくり」

慧悟は前、精神を病んでた時期があった。でもここ数年は彩葉ちゃんと言う彼女のお陰で、すっかりこの店に慣れて、最近は日中のマネージャーをしている。

私も、恋をすれば、男の人と関われば変われるのかな?
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