いじわる主治医は、私にだけ甘い
ディナーを食べ終わり、明日の話になった。

「明日は彩人のご両親に会うんだよね」

「カハラに別荘があって俺が運転して連れてくよ。てか、冴って免許あんの?」

「失礼な! 私だって免許くらいあるよ」

だんだん声が小さくなってく。

「……ペーパーだけど」

「プッ。俺なんてクルーザーも運転できるぞ。冴のこと沖に置いてきてやろうか。ラッコのようにぷかぷか海に浮かぶ冴。昆布に巻きつく冴……」

「もうほんとにいーじーわーるー! でもすごいね。船なんて」

「ははっ。親父の趣味で一緒に遊んでるうちにいつの間にか、な」

「いいお父さんだね」

「それで冴が楽しんでくれるなら、俺はいくらでも免許とるよ」

「私もペーパー卒業するために明日運転するよ!」

「それはダメ。俺の命が危ういから(笑)」

「ちぇっ」

ハワイまで来たならなんか人生観変わると思ったのに、このいじわる主治医はどこにいてもほんと変わんない!
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