いじわる主治医は、私にだけ甘い
ご家族とは分かれて、二人でホテルに戻ってきた。
昨日と違って今日はダブルベッドの部屋だった。

「彩人、ベッドがひとつしかないよ?」

「ないな」

「アノ、ソノ」

「そんなに嫌か?」

「嫌なんかじゃない! デモソノ……誰かと寝るなんて初めてだから」

「大丈夫、俺は手を出さないよ。ふたりで寝るだけ」

「……」

分かりやすく、ほっぺたを膨らめてしまった。

「ぷくぅってなってるな(笑)」

指でつついて、膨らみを潰されたらぷって変な音がでた。

「ふふ、辞めてよ」

「明らさまに拗ねるからだ」

「だってぇ」

「じゃあ少し教えてやるよ。俺の本音」

すると上着を脱がされて、ベッドの上に押し倒された。

「きゃっ……」

「……」

上の服のボタンを上からひとつずつ外されて、同時にキスされる。
何度も重なり合う、大人のキス。
彩人と手がブラにかかった時、自分が震えてることに気がついた。

「たった数年、俺が先に違う人生生きてるだけで、こんなに震えちまうんだ。守りたい。俺の欲望のまま怖い思いさせたくない。分かったか」

「……うん、拗ねたりしてゴメン」

「ちがう。こっちのほうが……冴が大切過ぎて困るんだよ」

「彩人……」

涙が1粒、ほっぺたに落ちた。
彩人が泣いてる。

「本当は宝物みたいにしまっておきたい」

「彩人、ありがとう」

「うん」

「私を選んでくれて、見つけてくれて、ありがとう」

「うん」

「大好き」

「俺も」

もう一度抱きしめていいか?と聞かれて今度は安心して身を任せられた。
そのまま、互いの温もりを感じながらいつの間にか眠ってしまっていた。
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