いじわる主治医は、私にだけ甘い
8. 日々のはじまり
次の週、早速荷物を移して彩人たちの豪邸に引っ越してきた。言わずもがな、部屋は余ってるらしくその一室が私に宛てがわれた。

綺麗な庭が窓から見わたせる、一室だった。

「なんかここに居るだけで、体の調子が良くなる気がするよ」

「いきなり呼びつけた割には気に入ってくれて何よりだ」

「彩人の部屋はどこなの?」

「隣」

「隣!?」

「ちなみに左の隣は慶人だ」

「挟まれてる!?」

「挟まれてるな」

何かあっても安心……なんて感じよりも、2人に変なところ見せられないよと緊張してしまった。

「なんか少し目眩がしてきた」

「さっきまで絶好調じゃなかったのかよ」

「心の問題、かな」

「とにかくベッドに横になれ」

「うん」

遠慮なく、ふかふかの布団に横になった。
おでこにふわりと彩人の手が乗っかる。
冷たくて気持ちいい。

「少し熱があるかもな」

「大したことないよ」

「疲れが溜まってるんだろう。夕飯までゆっくりしろ」

「うん。ありがとう」

遠慮なく、寝させてもらった。
初めての家とは思えないくらい落ち着いて寝られた。
< 53 / 93 >

この作品をシェア

pagetop