いじわる主治医は、私にだけ甘い
翌朝、目が覚めると彩人が私を抱きしめたまま寝ていた。
長いまつ毛にドキドキしていると、彩人の目が開いた。

「やっと起きたか」

「う、うん。てか彩人も寝てたんじゃ」

「寝たフリだよ」

「何それ(笑)」

「冴の寝顔が可愛かったから」

「もう」

「身体、つらくないか?」

「……」

正直に言うとちょっと変な感じだけど、彩人に言えるわけない。

「ちょっと違和感があるか?」

「な、なんで分かるの?」

「一応、産婦人科医なので」

「そりゃそうだよね」

「大丈夫?」

「うん、本当に大丈夫」

「2,3日したら、本当に大丈夫になると思う」

バレてるし変なところで医者出さないでー!

「なんか恥ずかしい」

「はは、ごめんな」

と頭を撫でてくれる彩人。

「朝ごはん、食べに行こ」

「よし、もりもり食べるぞー」

「彩人が本気出したら、全部の食材無くなっちゃう(笑)」

「かもな」

そうして朝食を食べて(彩人は2人分くらいで勘弁してあげていた)私たちは関東に戻った。

それから、マンションへの引越し準備や家具の購入、そして婚姻届は末広がりでいいだろうと8月8日に提出した。

「桐ヶ谷冴さん、これからもよろしく」

「うんっずーっと一緒だよ」
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