いじわる主治医は、私にだけ甘い
いよいよ出産の日。体力のない私は帝王切開で赤ちゃんを取り出すことになった。

隣には手術着を着た彩人、慶人さん、それにたくさんの人たちが私の手術のために集まっている。

手術は順調に進んで、慶人さんの「赤ちゃん出るよー!」と声とともに元気な産声が部屋中に響いた。

「冴、よくがんばったな」

「うん……本当に無事に生まれて良かった」

「じゃあお腹閉めていくからな」

「よろしくお願いします」

そうして無事に出産を終えると、看護師さんが赤ちゃんを連れて私に抱かせてくれる。

ぱっちりとした目元が彩人そっくりのかわいい女の子だった。

手術着を脱いだ彩人も赤ちゃんを抱く。

「桜音、うまれてきてくれてありがとう」

彩人は泣いていた。

「冴、桜音、二人とも一生大切にするからなーー」



ーーこうして、家族3人新しい生活が始まった。

「あーーーー!!!!」

「パパ、桜音、オムツもミルクも飲んだのに泣きやまないー!」

よいしょっとと桜音を抱っこする、パパ。

「きゃっきゃっ」

「遊びたかったんだよなぁ」

「あーああーあ」

「パパって言ってるのかも」

「ハハッ、今日も冴も桜音も最高に可愛い」

私にキスしてくれる彩人。
行ってきますとおやすみのキスは変わらず、つづいている。

「じゃあ、行ってきます」

「うんっ、いじわる先生、今日もお仕事頑張って」

「何その言い方」

「ふふ、なんでもない。大好きってこと」

「俺も、冴を愛してる」

こうして、いじわる主治医は、私にだけ甘い日々をこれからもずっと与え続けてくれる。

君となら、どんなことも乗り越えられるよ。

出逢ってくれて、ここに居てくれて、たくさんありがとう。

私たち、いっしょに日々を輝かせていこうね。

- Fin -



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