Nocturne of Light~ノクターン オブ ライト~
「逃げるのに必死で。私の力が、悪用されるのに耐えられなくて·· 」

リリィは無理に笑おうとするも···

でも、
うまく笑えなかった。

その表情は切なそうで、
今にも泣きそうだった。


人があまりいない道を選んで、
小さな街を転々として。

眠る場所もなくて、
外で朝を迎えたこともあった。


「ご飯も···ちゃんと食べられない日、多くて中には親切にして下さる人もいました。でも···」

ぽつりぽつりと、
こぼれる言葉。

カインは何も挟まず、
静かに聞いていた。

レオンもまた、
黙ったまま。



「見つかると、“調律”かって。逃げて、隠れて···。違う場所へ行っても。それは終わらなくて。」


その時。
“ピシッ”
小さなヒビが入る音。

リリィはレオンへと視線を向けると
レオンの持っていたカップに、
小さくヒビが入っていた。


(···っ)
リリィは、
レオンの色が静かに濃くなるのを感じた。

重く、
沈むような黒。
同時に、
少しだけ感じる“圧”。


空気が、
わずかに張り詰める。


思わずリリィは、
そっと声をかける。
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