Nocturne of Light~ノクターン オブ ライト~
「···レオン?」

そして、
カップを持つレオンの手に、
軽く触れた。

その瞬間。
ふわりと、一緒だけ
やさしい光が滲む。


リリィの隣で
「へぇ··。なるほどね」
とリリィが聞こえないくらいの声で
小さく呟いたカイン。



リリィは今、力を使ったわけではなかったが。
ほんの一緒だけ··
レオンの中に優しさが入り込んだ。


レオンはハッとしたように、
視線をカップへと落とした。


それを見ていたカインは、
小さくため息をつく。
「レオン〜、朝から壊さないでくれるかな?」

軽く呆れた声。まるで何度か同じことをしているかのように。


「···わりぃ」
ぽつり、と呟くレオン。


(レオンの感情··やっぱり分からないけど)


黒の奥。
そこだけは、
どうしても見えない。


でも
なんとなく分かる。

怒ってる。

でもそれは、
リリィへ向けられたものじゃない。

それだけは、
ちゃんと感じていた。

少しの沈黙が流れる···。


その空気を変えたのは、
カインだった。


「うーん···」
軽く顎に手を添え

「お嬢さんは、特定の組織から狙われてたっていうより··」

少し目を細め

「色んな組織に、“情報”だけ回ってた感じかな。お嬢さんが“調律”の使い手だって事が。で、あちこちから狙われてたと。そうなるとほんと敵だらけだね。どの組織が狙ってるとか。絞れないわけだ。」


リリィは思い出したくないような
苦しい表情になる。
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