私に憧れていた年下社長と出張一夜、理性が崩れて溺愛が止まりません

第1章 理性が崩れる前夜

社用車の後部座席。

静かに流れるエンジン音の中で、私は膝の上のタブレットに視線を落としていた。

「本日のスケジュールですが、先方との打ち合わせが十時からになります。その後は――」

言いながら、隣に座る藤山社長へと視線を向ける。

けれど彼は、短く頷くだけだった。

「問題ありません。京子さんに任せます」

それだけ。あまりにも簡潔で、あまりにも整った返答。

……やっぱり。胸の奥に、小さな違和感が落ちる。

「……他に、ご要望などはございますか?」

仕事としては、当然の確認。

けれど、本当は違う言葉を聞きたかった。

――少しは頼ってほしい。

そんな感情が、ふと浮かんでしまう。

「特にありません。あなたの判断で進めてください」

丁寧で、穏やかで。非の打ちどころのない言葉。
< 1 / 15 >

この作品をシェア

pagetop