私に憧れていた年下社長と出張一夜、理性が崩れて溺愛が止まりません
それなのにどうしてこんなにも、距離を感じるのだろう。

専務だった頃の彼は、もう少し違っていた。

『京子さん、これどう思います?』

『ちょっと相談いいですか』

そんなふうに、自然に頼ってくることがあった。

少し困ったように笑ったり、ふとした拍子に距離が近づいたり。

――あの頃の方が、ずっと近かった気がする。

「……承知いたしました」

私はそれ以上考えないようにして、視線を落とした。

秘書としては、今の関係が正しい。

社長と部下。線引きは明確で、感情は不要。

それなのにどうしてこんなにも、胸がざわつくのだろう。

頼られているはずなのに、どこか“置いていかれている”ような感覚。

必要とされているのに、“自分じゃなくてもいい”気がしてしまう。

――こんなの、おかしい。
< 2 / 15 >

この作品をシェア

pagetop