私に憧れていた年下社長と出張一夜、理性が崩れて溺愛が止まりません
ホテルにチェックインしたあと、部屋に入った途端、張り詰めていた気が緩んだ。

バッグをベッドの上に置き、深く息をつく。

――疲れてるのかもしれない。

そう思いながらスマートフォンを取り出すと、ちょうど着信が入った。

「……お母さん?」

表示された名前に、少しだけ眉を寄せる。

このタイミングでの電話に、嫌な予感がした。

「もしもし」

『京子?今、大丈夫?』

いつもと変わらない、穏やかな声。

けれど、その奥に何かを含んでいるのが分かる。

「ええ、出張先だけど。どうしたの?」

『あのね、ちょっといい話があるのよ』

やっぱり。胸の奥が、すっと冷える。

「……お見合い?」

先に言うと、母は少しだけ驚いたように笑った。

『あら、分かっちゃった?』

軽い調子。けれど、こちらに逃げ道を与えない響きでもあった。
< 4 / 15 >

この作品をシェア

pagetop