経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 それはそれで甘かった。どこに行ってもコンシェルジュから渡されたカードを見せると長蛇の列をパスして最優先に案内され、聞いていた通りショーは一番いい席に案内され、食事も予約済みで待ちなしの超豪華。ドリンクも何処でも無料で飲み放題。少しでも「次どうしようか」「これってどこかな?」と足を止めると関係者が軽やかに助けてくれる。…これは一般でもそうかもしれないけれど。

 一体何が起きているのかと思ったけれど、幸せそうな周囲や美しい風景、優しく楽しそうな関係者に心が浮き立った。

「本当に幸せな夢って感じだね」

「うん。別の世界に入り込んだ感じ…」

 光が溢れるパレードを見ながら二人はそんな事を呟いた。



 ホテルの部屋も綺麗で広く、洗練されている。二人できょろきょろ。あれはこれはと初めての外泊に、照れるよりも興味であっちこっち確認した。

 コンシェルジュから隠れキャラクターの話も聞いていたから、こんなとこにもキャラクターがいる。アメニティもだ。すごーい。と、楽しんでからシャワーを浴びた。

 司と交代してからもきょろきょろ宝探しをするように部屋を見ていた綾音は、置いてあったメモ帳にもキャラクターがいるのに気が付いた。捲ると一枚一枚別の絵柄な事にも少し驚く。凄ーい。他にも無いかなと探すと絨毯やシーツ、壁紙にも小さなキャラクターや彼らの痕跡を見付ける。ここにもあったー。と、ヘッドボードの近くにも見付けて、それを見ていたら司が戻ってきた。

「司君。ここにもいたよ。夢の国の宝探し」

 そう言ったら司が笑う。

「本当に、夢みたい」

 その言葉の意味は深堀しなかったけれど不思議なことにちゃんと伝わって、ふわりと綾音を包み込んだ。
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