経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 そしてひっそりと周辺に溶け込むような、教えて貰わなければドアと分からないそれをコンシェルジュが開けると「こちらからどうぞ」と導かれて二人は中に入った。まだ誰も入っていない静かなパークの中は、きっとどのイベントよりも貴重で美しい。

 遠目に、キャラクターが遊んでいるのが見えた。見たことのあるキャラクターばかりに、何だかんだ知っているものだなと思っていたら一斉にこっちを向いて手を振ったりジャンプをしてくれる。他に客がいないのに遊んでいたのも、自分達の為だけのサービスだとこうなって気が付いた。

「わぁ…」

 と、綾音の声が聞こえてくる。隣を見ると嬉しそうに小さく手を振っている。

 あのキャラクター達がもっと近くで、ハグやハイタッチのサービスをしてくれることも知っている。でも、自分達が詳しくないことを申し込みの時で察してこういうもてなしをしてくれたんだろう。全身全霊で歓迎してくれるのが分かって嬉しくなる。

 すげー。と、素直に感動して司も小さく手を振った。



 その後にも全てにおいて最高級のおもてなしを受けた。

 荷物をすぐに預かってくれて、専用ラウンジでチェックインをする時にも必要事項は既に入力済みの画面にサインをするだけ。因みに手荷物検査はどこかで既に終わっていたらしい。凄過ぎてビビる。

 お茶を飲みながらショーや食事の案内を聞く。コンシェルジュは緊張を解き解すように笑顔で優しく色んなことを教えてくれる。緊張はやがて興奮と期待と感動に変わり、早くも胸が一杯になった。とりあえず、どこに行ってもただの遊園地なんだから大丈夫だよね。と、結局二人はそこに落ち着いた。
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