経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「仕事順調ですか? 困ってることありません?」

「お蔭様で。色々ご配慮頂いてありがとうございました。凄く快適です」

 は? と、愚痴り組はまた顔を見合わせた。何? あの子にはそんな食い気味に御用聞きしてるの? 不公平じゃない? と、二人は顔を顰める。

「いや、相談なんていくらでも乗りますよ。だって上野さんだけですよ。ちゃんと今ある環境で試してから限界なのでソフト入れたいって言ってくれたの」

「皆勝手に入れちゃうし。危機管理も安全かどうかの判断もできないのにさ」

 なー。と、情シスの言葉を聞いた愚痴り組はぎくりと肩を震わせた。

「何かあったら責任も取れない癖に道具ばっかり欲しがるんだから。しかも格好良いからとかきっと便利だからとかこれが無いとできないとか根拠の無いことばっか言って」

「二言目にはフリーソフトで金かからないんだから良いだろって、そういう問題じゃないんだよ。そのせいでウイルスにでも感染したらどうしてくれるの? マジで会社潰れるの分かってるのかな」

 ぎくぎく。と、愚痴り組は更に深く俯いた。

「それに比べて上野さんは自分から根拠の説明と、危機管理も十分に理解した上で事前にちゃんと申告してくれたからマジで泣きましたよ」

「泣いた。自分で仮想環境作るって言われた時には全情シス泣いた」

 愚痴り組には何を言ってるのか全然分からないけれど情シスの絶賛は終わらない。

「データも生のままで良いって言ってくれるし」

「急ぎも無いしな」

「そうそう。いっつも至急って言ってくる奴いるんですよ。急な仕事じゃ無い癖に」

「そういう奴に限って良い感じにグラフ作ってとか言ってくるんですよー」

「え? グラフまで作るんですか?」

 相手の驚く声が聞こえてくる。愚痴り組の一人の俯く角度の変化で、もう一人は犯人を察した。
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