経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 小声ではあるけれど叫ぶ先輩と情シスの攻防戦は終わらない。司は何が起こっているのか分からずにぽかんとしている。

「そもそも上野は経営企画部を志望して入社してきたの! それをねじ曲げるとかお前ら鬼か!」

「入社して、もっとやり甲斐のある仕事が見付かれば背中を押すのが先輩ってもんでしょうが!」

「こっちだってやり甲斐は山ほどあるわ! 上野は分析で生きるの!」

「DXだって上野さんの力、遺憾なく発揮できるし! 俺らがサポートすれば無敵だし!」

「大体、上野さんに話もしないで先輩が勝手に決めるとかおかしいですよ!」

「そうだそうだ!」

「何言っても無駄ーー! どうせ上が許す訳…あ、やべっ」

「うちの部長だってやる気満々…あ、そうだった!」

「やばっ…」

 三人は唐突に黙った。経営企画部の部長…引いてはその上から、上野を絶対に目立たせるな。社内でも不必要な人間には勘づかれないようにしろ。どこから情報が漏れるか分からないんだから。と口止めをされていたんだった。
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