経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 情報システム部も同じく箝口令が敷かれていた。こちらは役員の思惑など知らず存ぜずだけど、司の能力が社内にばれれば都合良く使おうとする奴らが絶対に押し寄せてくる。そんな事は許さない! 自分達が守らなきゃ! と、一致団結していたのである。

 …やばい。と、周囲を見回してから三人は白々しく呟いた。

「……まぁ…そうですね。仰る通りですよ。膨大なデータの整理は本当に手が掛かるので、これからも助力願います…」

 うちにはプログラミングで魔法のようにデータを整えられる新人も、役員まで頼っているアナリストもいませんからねー。本当に大変だー。…の代わりに先輩は言った。でも顔が引き攣っているし情シスの方を見ない。

「…そうでしょう。そうでしょう。そうやって大人しくしてれば良いんですよ。しょうがないから、たまには助けて上げますよ。こうじゃないとかいう文句も程々にして下さいよー…」

「こっちだって大変なんですからねー…」

 そうそう。こっちのデータまで綺麗に整えてくれる優秀で優しい子なんて存在しないからね。これからも不自由しながらやっていくしかないんですよ。我々は。暗にそう言いながら情シスも明後日の方を見ている。司を見ちゃ駄目だ。あの子は何にも知らないんだから。
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