経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「とにかく、上野。戻るぞ」

「え? あの…?」

 そして情シスを見るけれど、良いから行きなさい。大丈夫だから。と、うんうん頷いている。早く逃げてー。

 その態度に不思議そうな顔をした司は、ぺこりと頭を下げて先輩を追った。良い子。あー行っちゃった。今度はこっそり情報システム部に誘い込んで内々で盛り上がろう。泣く泣く座り直して二人は不貞腐れたように呟いた。

「あー。本っ当に苛つくわー」

「分かる」

 何の喧嘩だったのか分からないけれど、まだまだお怒りのご様子。こえーよー。と、肩を竦めた愚痴り組にこんな声が聞こえてくる。

「マジで何回言えば理解すんのかなー。こっちは資産管理ツールで監視してるんだから変なソフト入れればすぐに分かるって言ってるのに。性懲りも無く何度も何度も」

「リテラシーも理解できないのに、何で自信だけはあるんだかねー」

「そもそも『フォロー役に徹しろ』なんて、俺だったら口が裂けても言えねーわ。勘違い甚だしい」

「だってうちら、フォローの為にいるんじゃないしねー…」

 そして情シスは振り返った。目が合ったのは言わずもがな、営業部の愚痴り組。お前らのことだよ。お前らの。さっきの話も全部聞こえてたからな。司が見えてどうでも良くなったけれど、奪われた恨みもあって怒り倍増。理不尽だなんて言わせねーよ? そもそもお前らが悪いんだからな。
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