経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「うん。俺ね。綾ちゃんと一緒にいたいし、それも含めて将来を考えているのは否定しない。でも、綾ちゃんがそれに対して責任を負う必要も心配する必要も無いよ。俺はもしも綾ちゃんに振られても、選んだ進路を後悔しない。そういう将来を選んでる。だから心配しないで」

 就職活動が続く日々の中で、司は綾音の返事を求めない。どちらかといえばその姿を見ていて欲しいといわんばかりに必死に取り組んでいた。

 それを見ているからこそ、綾音は司の言葉を信じた。司の選ぶ進路は決して妥協でも逃げでも諦めでも無い。

「…うん」

「だからその結果、同じ会社の内定貰ったとしても行かないかもしれない」

「うん」

「でも全部、後悔ないようにやりたいんだ」

「…分かった」

 だから綾音は自分の志望を隠さなかった。自分には難しいだろうと思う会社のことも正直に司に教えた。その会社に自分の居場所を見付ければエントリーして、無ければ諦める。司はそんな風に挑戦をし続けた。
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