経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「…え?」

 仮? と綾音は首を傾げた。何で仮?

「理由は幾つかあるんだけど、まずは綾ちゃんの中で、二人で出掛けたりご飯食べたりできる異性として認識して欲しい。大学みたいに偶然会ってとか空き時間がとかっていう事が無くなる以上、自分達で敢えて時間を作らないとそういうことはできないでしょ? それが男友達としてでもできるっていうなら綾ちゃんの中ではそういう定義でも構わない。これが一つ」

「…あの?」

「あとはね。ここからが重要だからよく聞いておいて。社会人になったら綾ちゃん、多分男から声を掛けられる。いや、多分じゃなくて絶対声を掛けられる。どんな男かは分からないけど、もう色んな男がいるから。そいつら、金銭感覚も経験値もスペックも大学生なんかとは全然違うから。綾ちゃんが見た事ないタイプとか想像もしなかった奴とかわんさかいるから。その中でどんなのが一番厄介かって言うと、その気がないとか今は良いって言っても食い下がってくる奴。試してみなきゃ分からないよとか一度で良いから二人で出掛けてみようよとか俺の事そんなに嫌い? とか。本人の気持ちだけなら折れさせて何とかしようとか罪悪感擽る男が絶対いる。そういうのに限って滅茶苦茶しつこい。少し話を引っ張ればそんなこと聞いてないとか知らなかったとかありとあらゆる手を使ってくるから。もうね。物理的な理由でばっさり切らないと引っ込まないの。下手すると言葉だけじゃなくて目の前に男を出さないと諦めない。そういうのが、賭けても良い。100パーセントいる。100パーセント世の中にいるし、100パーセント綾ちゃんに近付いてくる」

「…ひえ?」
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