経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
 その後、二人で約束通り司の部屋で映画の続きを見た。飲み物もお菓子も準備して。いざ!

 十五分くらい見て司が呟く。

「…この二人って結局どうなったんだっけ」

「喧嘩別れしたままじゃなかったっけ」

「そうだっけ?」

「違ったっけ」

 と、二人で首を傾げた。途中で止めてあーでこーでと話してみても埒が明かない。

「別に重要じゃないだろうし、曖昧なままでも良いんだけど」

 と、言った司に綾音が同意しかねる。

「でも、もやもやするね…」

「ですよね」

 頷き笑って司がリモコンを手に取った。こうして話せるのも途中で止められるのもサブスクの醍醐味。前編を見ることもできちゃうんですねー。とばかりに戻したら綾音はびっくりした顔を司に向ける。

「え? 全部で四時間くらいになっちゃうよ?」

「このまま後編見るのも勿体ないでしょ。まだ二時だし、全部見ても遅くならないよ」

「…い、良いの?」

「勿論」

「…ありがとう…」

 嬉しそうな綾音に笑ってしまう。こんな遠慮も、まだ未熟な二人のやりとり。それなのに滞りなく進む会話。緊張するのに安心する。分からないのに分かり合える。

 それがこの相手じゃなければできないことを一人は知っている。もう一人は知らない。

 けれどそれがとても尊く得難いものだと二人とも知っている。
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