経済学部一の人気者が同じ学部の大人しい女の子に一目惚れした理由│Quiet Strength×Soft Strength
「…何で綾なのよ。っていうか、さっきより前に綾に会ったことあるの?」

「無い。さっきが初めて」

「…さっきもあんたと話した訳じゃないよね。あたしと話しているの見てただけだよね」

「うん」

「それで何が良いと思った訳?」

「すげー可愛かった」

「顔かよ」

「顔もだけど。…えー…。何だろう。仕草も声もほわほわしていてほっとするっていうか…とにかく全体的に凄い可愛かった。見ただけで可愛いなって思った子は芸能人とか含めて初めて」

 そこで舞は絶句した。どうしよう。こいつ、悪い奴じゃないみたいだけど絶対変だよーー!!

「…無理なら良いけど」

 舞の表情に何かを感じ取ったか、困った表情で司は呟く。その言葉にまた混乱した。

「無理っていうかーー…」

 そもそもこれ、自分が決める問題じゃないよね。問題じゃないんだけど、自分がどう動くかで未来が決まるわ。うーーーーん。どうしようーー…。

 ううーーーん…。頭を抱えて唸ること三分。舞はそもそもの話に辿り着いた。

「分かった。綾に聞いてみる。会うって言ったら会わせる。嫌って言ったら会わせない」

「わ、分かった」

 唐突に真顔でそう言った舞に司もこくんと頷いた。
< 9 / 28 >

この作品をシェア

pagetop