訳あり王子の守護聖女
 引き締まった長身に白いシャツと青の上着を羽織り、黒い脚衣を穿いている。

「有用性、とは?」
 バーベイン様の視線が今度はノクス様に移動した。

「陛下は『戦場の天使』 と讃えられた可憐な少女の伝説をご存じありませんか?」

 可憐な少女の伝説って何!!?

 にっこり笑うノクス様を見て、私は戦慄した。

 というかノクス様、本人を前に天使と呼ぶのは止めてください!! 
 例えとして挙げるなら『放浪巫女』のほうにしてください!!

『放浪巫女』なんて呼ばれてましたが正確には巫女見習いだったんです、エメルナではどんなに強い神力を持っていようと下民は巫女にはなれないんですと解説もできたので!!

「『戦場の天使』 ……聞いたことがある。どこからともなく戦場に現れ、負傷者を癒しては慈愛に満ちた微笑みを残して去っていく謎の美少女のことだな?」

 私、アンベリスの国王様に認知されてたー!!!

 いやいや嘘です違うんです国王様!!

 謎の美少女って何なんですか、噂に尾ひれどころか背びれと胸びれまでついてますよ!?

「陛下、どうか発言をお許しください」
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