訳あり王子の守護聖女
「はい。順を追ってお話し致します。いまから三か月前、私が勤めていた神殿に魔物との戦闘で瀕死となった皇太子様が運び込まれてきました。 不運にも巫女姫様と序列第一位の巫女は不在で、期待を寄せられたローザ様は皇太子様の深すぎる怪我を癒せませんでした。そこで僭越ながら私が皇太子様を癒したのですが、その手柄はローザ様に横取りされました」

 罪悪感もなく私は言った。
 殺されかけた以上、口外しないというローザとの約束を守る義理はない。

「真実を話されたくなかったのでしょう。ローザ様は親密な友人の仮面を被って私の言動を監視し、ときには代行として働かせることもありました」

 自分より強い神力を持つ下民を利用しない手はないからね。

 ええ、ローザ様が喜んでくださるならと、いいように利用されまくりましたとも。

「皇太子様が怪我を負われた事件から三か月後、ローザ様は皇太子妃になることが決まりました。ローザ様の代行として働いていた私は用済みになり、また、秘密を暴露しかねない脅威となったので、後腐れのないように崖から突き落とされたのです」

「なんと……」
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