この結婚は王命ですから。初夜で拒絶された花嫁です、それでは自由にやらせていただきます!
 いくらなんでもおかしいことに、気づいている。

 俺にはもう会いたくないという、意思表示なのだろうか。

 手を組み、考え込んでいると、次第に顔が険しくなっていくのを自分でも感じる。

 ソファから一歩も動かず、じっと座っていた。
 その間、メイドは紅茶を二回、淹れにきたが、特に口を開くことはなかった。

 歓迎されていない雰囲気を感じるが、ここは耐えるのみだ。
 もしや、屋敷を出て行くのを期待しているのかもしれない。

 そう、俺の顔などもう見たくもないと――。

 これがシャルロットの意思表示かと思うと、胸の奥に鉛が詰まったようにズンと重くなった。

 待っている時間が苦痛に感じる。
 まるで生殺しにされている気分だ。

 あいまいな態度を取られるぐらいなら、いっそのことはっきりさせたい。

 自分は上手い言葉も言えないが、察する能力も高くない。特に彼女のこととなると、途端に気が回らなくなるのを自覚している。

 部下たちも心配していることだろう。どんな待遇を受けているのだろうか。

 戻ってこない俺に痺れを切らし、先に外に出たかもしれないな。

 ご丁寧に軽食まで出されたが、肝心のシャルロットは姿を現すことはなかった。

 ――これはもう、俺に会う気がないということか。

 食事は喉を通らず、水を一杯飲んだだけで下げてもらった。

 半日ほど部屋で待たされ、もう限界だった。

 だがここまで来て、会わずには帰れまい。北部に、俺に嫌気が差したなら正直に彼女の口から伝えて欲しい。

 あいまいなまま別れては、この先ずっと苦しむことは目に見えている。

 いっそ、とどめを刺して欲しい。君の口から直接拒否されたら、この上ないほどの苦痛にのたうち回るだろう。ただでさえ、今のこの状態でも苦しくて息ができないというのに。

 彼女に拒否されたとしても、あきらめがつくとはまた、別の話だった。

 お願いだ、シャルロット。姿を見せてくれ。

 祈るように手を組むが、願いが叶えられることはなかった。
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