亡霊の忘れ花
序章
「涼介!早くしないと置いてくよ」
生え茂る植物。一面に佇み天へと枝を広げる大樹たち。
ろくに整備されていない山道はしかしこの世のものとは思えないほど神秘的だった。
涼介は当時小学生で体力のない子供だったにも関わらず、一応は声をかけながらも姉はずんずん山道を先に進んでゆく。
──体力ゴリラのあんたとはちがうんだよ、バカ姉貴が!
心では悪態をつきながらも、口からはゼエゼエとした呼吸音しか出ない。
かれこれもう数時間は険しい山道を進んでいるというのに、一向にゴールに辿り着く気配がない。しかしここで諦めるわけにはいかないのだ。
この山の頂上には、特別な樹があるらしい。
今そこら中に伸びている木々も今まで見たことがないくらい立派なものだ。しかし、実際にその特別な樹を見たことがある姉によると、これらとは比べ物にならないほど“別格”らしい。
そして、涼介はこれからその樹に会いにゆく。会って初めて、涼介は一人の“祓い屋”として認められるのだ。
生え茂る植物。一面に佇み天へと枝を広げる大樹たち。
ろくに整備されていない山道はしかしこの世のものとは思えないほど神秘的だった。
涼介は当時小学生で体力のない子供だったにも関わらず、一応は声をかけながらも姉はずんずん山道を先に進んでゆく。
──体力ゴリラのあんたとはちがうんだよ、バカ姉貴が!
心では悪態をつきながらも、口からはゼエゼエとした呼吸音しか出ない。
かれこれもう数時間は険しい山道を進んでいるというのに、一向にゴールに辿り着く気配がない。しかしここで諦めるわけにはいかないのだ。
この山の頂上には、特別な樹があるらしい。
今そこら中に伸びている木々も今まで見たことがないくらい立派なものだ。しかし、実際にその特別な樹を見たことがある姉によると、これらとは比べ物にならないほど“別格”らしい。
そして、涼介はこれからその樹に会いにゆく。会って初めて、涼介は一人の“祓い屋”として認められるのだ。