ワンナイト限りの割り切り関係に「もう一度」は無粋です! ~正反対な私たちは今日も意見が合いません~
「でもいいじゃん。あんなイケメンから熱烈に求められたら、嬉しくない?」
「全ッ然嬉しくない!! 私は長期的な恋愛をするのが嫌で、名前も素性も知らない相手とただ一晩だけの刹那的な充足を楽しみたかっただけなの!私はいつだって『割り切り』を望んでるのよ!」
息を切らして空になったジョッキを握りしめる私に対し、日葵はふっと悪戯っぽい笑みを消して真顔になった。そして、不思議なものを見るような目で首を傾げた。
「…ねえ、小春。なんでそんなに『割り切り』に固執するの? 相手が風間さんなら、普通に恋人として付き合っても損なんて1つもないじゃん。むしろプラスでしかないでしょ?」
「それは…」
反射的に投げ返そうとした言葉が、急に喉の奥でつかえた。
これを説明するには、もっと深いところまで話さなければならない。そして、それはアルコールが回ったとしても口にするのが憚られること。
「…と…とにかく面倒なのよ。恋愛なんて……したくない。ただそれだけ」
言い聞かせるように言葉を継ぎ、私は運ばれてきたばかりのジョッキに口をつけた。冷えたアルコールが程よく頭を冷静にする。
「ふーん、そっか。まあ、人には人の価値観があるもんね」
日葵の含みのある相槌がやけに耳に障った。自分で吐いた言葉が空虚な音を立てて足元に落ちていく自覚はあったが、今はそれを認められない。認めてしまったら、あの夜の出来事に完全に飲み込まれてしまうような気がしたから。だからこそ、私は頑なに視線を逸らし続けた。
「全ッ然嬉しくない!! 私は長期的な恋愛をするのが嫌で、名前も素性も知らない相手とただ一晩だけの刹那的な充足を楽しみたかっただけなの!私はいつだって『割り切り』を望んでるのよ!」
息を切らして空になったジョッキを握りしめる私に対し、日葵はふっと悪戯っぽい笑みを消して真顔になった。そして、不思議なものを見るような目で首を傾げた。
「…ねえ、小春。なんでそんなに『割り切り』に固執するの? 相手が風間さんなら、普通に恋人として付き合っても損なんて1つもないじゃん。むしろプラスでしかないでしょ?」
「それは…」
反射的に投げ返そうとした言葉が、急に喉の奥でつかえた。
これを説明するには、もっと深いところまで話さなければならない。そして、それはアルコールが回ったとしても口にするのが憚られること。
「…と…とにかく面倒なのよ。恋愛なんて……したくない。ただそれだけ」
言い聞かせるように言葉を継ぎ、私は運ばれてきたばかりのジョッキに口をつけた。冷えたアルコールが程よく頭を冷静にする。
「ふーん、そっか。まあ、人には人の価値観があるもんね」
日葵の含みのある相槌がやけに耳に障った。自分で吐いた言葉が空虚な音を立てて足元に落ちていく自覚はあったが、今はそれを認められない。認めてしまったら、あの夜の出来事に完全に飲み込まれてしまうような気がしたから。だからこそ、私は頑なに視線を逸らし続けた。