苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~
今日、一日中その問題のことで頭がいっぱいだった、なんて言ったら驚くだろうな。
無意識にスクロールすると、思わず「彼」という言葉に手を止める。
《こっちは順調だよ~。彼、とってもいい人だった。今度、二人で旅行に行くんだ~》
彼? 本当に茜のやることは素早い。もう新しい男性を見つけたのだろうか。
《彼って、誰とつき合ってるの?》
送信すると、すぐに返事が送られてくる。
《あ。言わなかったっけ? 井口君だよ。彼と問題課長がお友達なんて不思議だよね~。明奈のおかげでいい人と出会えた。ありがと!!》
さすが茜。もう次の恋を走らせているのだから驚きだ。そして、あの夜の出会いから二人が付き合うことになるなんて。確かに、きっかけは課長と私が知り合いだったからだけど。積極的な茜だからこその結果だ。とにかく二人が幸せならそれでいい。
相変わらずの軽い調子に、呆れて笑ってしまう。きっとこのくらいライトな気持ちでいた方が、たくさんの恋が掴めるんだろうな。
結局、自分の感情が絡まってばかりの私には真似できない。
疲れた身体を温めようと、シャワーを浴びにバスルームへと向かった。