苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 その日の終業時間に、さっそく茜からメッセージが入った。さすが茜。やることが早い。

《井口君に聞いてみたよ。明奈が言ってた通りのアンドロイドだった。なんて、ウソ。相談すれば必ず聞いてくれるいい奴だって。でも、あまり恋愛話とかしないみたい。最近、気になる女性なんていないらしいよ》

 確かに友人の井口さんが言う通り、課長の中身は見た目とはまるで違う。人に寄り添い、気遣ってくれるタイプだ。

 どうして課長は、「気になる女性がいる」という言葉を口にしたのだろうか……。

 それに元々、軽い調子で自分のことを話すタイプではないのだから、井口さんに聞いても分かるはずもなかった。

《茜、ありがとう!》

 画面には大きく《FIGHT!!》という猫の絵文字が現れる。
 どこかその文字に勇気づけられ、課長のことを、もっと理解したいと考えた。

 でも、ここからどうやって行動を起こせばいいの……?

 難しすぎてスマホを持ったまま、自分の席に突っ伏した。




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