苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 面接中、慌てふためいたまま答え、頭が真っ白になった。ひたすら、できる範囲の言葉で彼の問答に対峙する。
 そして面接終了後、ドアの外で肩を落とした。
 
 はぁぁ。もう、無理かも……。

 自信を失いかけて自宅へ戻った矢先、メールが届く。

《ぜひ、あなたと前向きなお話しをしたいです。三次面接に進みましたので……》という内容だった。

「うそ!? 三次……ホントに?」

 思わずスマホを手にしたまま部屋中を飛び跳ね、テーブルに置いたカップをひっくり返しそうになる。

 そしてまさかの合格を掴み取り、課長のいる部署で一緒に働くことになった。
 緊張感と、喜びに包まれる。


 その面接から、仕事に奮闘しながら半年が過ぎた。


 そして先週の金曜日……。
 もしかして、課長に自分の本音が聞かれてしまったかもしれない……。


 月曜の朝からバッティングするとは思わず、先週起きた出来事を記憶から消去するべきか……。

 今はとても悩ましい。




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