苦くて甘い恋のゆくえ~無機質な堅物上司がメンターですが、本音なんて言えません~

 ふと気付くと、課長が持ってきてくれたモバイルバッテリーやライトが借りっぱなしだ。

 これだと、また話す口実ができるってこと……?

 余計な考えが頭に浮かび、慌てて自分でかき消す。
 違う、違う。あれは上司としてやってくれたことであって、課長の厚意なのだから。

 週明けには、またいつもの機械のような受け答えをされることを覚悟して、今日のことは胸の奥にしまうことにした。

 課長が綺麗に食べ終わったカレー皿を見つめ、少しだけほっこりとした気持ちになる。
 ちょっとだけ垣間見えた彼の内側は、とても人間的だ。

「よし。片付けるぞ!」

 両手を腕まくりし、スポンジに洗剤をたっぷりと付けると、キッチンの片付けを始めた。




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